少数民族の暮らし方のシフト

2015.11.24.

トイレットペーパー、靴、割り箸、タイヤ、コピー用紙、防水具、ボール、コード、消しゴム、ガム。

俺らがいつも何気なく使っているものたち、どこでどう作られているか、知ってる?

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『え?ゴムの木がたくさん???』

ラオスでのエコトレッキングツアーの歩き出しに、ラバーツリー(ゴムの木)林の説明をしてくれたガイドさんの話に驚いた。

NPAっていう保護エリアだから、がっつりジャングルで民族が昔ながらの暮らしを守っているのを想像してたんだけど、俺らが歩いた熱帯雨林では、いわゆるジャングルと呼べるところと、明らかに人工的に植えられたゴム林とが半々くらい。

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その人工林は、トラックの通れる市街地の道のそばと、少数民族の暮らす村のすぐそばにだけ分布。

これは、ラオス以外の国の企業によるプランテーション。世界中でみんなが消費しては捨ててしまっているモノたちの原料を作るための林。

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1980年代、ラオスは世界でも最貧国に数えられる国で、そこから脱却したい政府が国土の約6割を占める熱帯雨林のの換金を考えた。国土の森を、保全用や農業用やプランテーション用など、地図上だけで見て切り分ける。そして、プランテーション用を海外企業に投資対象として売り捌いた。

山奥過ぎて人の目も行き届かないから、現実にはその区切りはきちんと機能せずにプランテーションが始まった。

ラオスでは、ベトナムと中国、そして日本企業のプランテーションが多いんだって。

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山奥で伝統的な暮らしを続けていた少数民族の方々は、当時そんな事が起きているなんて知らなかった。水道も電気もない、ほぼ自給自足の暮らしをしていたから、知る由もなかった。(ラオスの政府も、どこまで中長期的な計画を描けていたのかはわからない。)

ラオスの少数民族の元々の暮らし方はすごく素敵。

食べ物は近隣の森林から享受して、自分たちで作れないけれでも生活に必需な石鹸やノートなどを買うためだけに、バナナの葉や炭を売りに街に出る。

生きるための大切な資源だった森林が、国によって切り分けられ企業によって利用され、自分たちのしていた暮らしがある日突然できなくなっていく。米作りしていた土地が、肉や野草やキノコなどを獲っていた森が、街に行くための道が、すべてが自分たちは使わないモノを作るための林に姿を変えていく。

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もちろん、プランテーションをする企業が金銭補償や雇用創出など代替措置をするものの、想像の通り一時的なもので集落が存続するには全然足りない。

昔ながらの暮らしを続けようと林作りに抵抗すれば、国の法律で罰せられる。生きていくために、必要な食料を確保するための貨幣を獲得するスタイルに暮らし方がシフトする。売るためにバナナの葉を余計に刈ったり、炭を作る為に余計に木を燃やしたり、集落外に働きに出たり、語学を身につけて観光ガイドになったり。

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それって人としての文明的な暮らしにシフトしているんじゃない?と思うかもしれない。

ダイバシティが叫ばれる昨今、確かに人それぞれの思う多様性のある暮らし方が認められるべきだと思う。ただ大前提として、人は地球に、人は自然に依存して暮らしてる。この忘れてはいけないことを、ドングリや野草を食べたり、バナナや油ヤシを皿やキャンプに使ったりしたこのツアーが再認識させてくれた。

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プランテーションは、俺らの生活に負担をかけるような環境問題をはらんでいる。長くからある熱帯雨林が、不自然な自然に成り代わったための影響は計り知れない。

東南アジアでは、雨季の雨量を山が蓄えることができなくて、土砂崩れや川の増水による街への影響が多くなってる。タイの洪水は記憶に新しいはず。

日本でも、地球上で起きている環境問題に端を発しているであろうゲリラ豪雨と言われるものが増え、更にはダム建設やプランテーションをしたせいで山や森林でその雨量を蓄えることができないための洪水が起きてる。

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そうした循環にきちんと目を向けずにのうのうと生きていた自分に寒気がした。消費行動もそうだし、どんな会社で働くか、どんな企業に投資をするかもそう。

自分の目の前で増減する貨幣の数じゃない。

どんなモノにどんな背景があるのかを理解した上で、色んな行動しないとダメだと改めて肝に銘じた。

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きっと、こんな目が向かないような循環の中のちっちゃな不から、戦争も生まれる。

自分がライフワークとして何ができるのか考えるために、この旅でもっと色々学んでいきます。まずは、こんなに色々教えてくれたラオス、ありがとう!

※考えさせられるきっかけになったツアー概要はNam Ha NPA tour について(ラオスで少数民族訪問)から!

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