2016.5.5. yu
テヘランからイスファハーン、約6時間の夜行バス移動。
イラン初バス移動だったから、どんな風なんだろうね〜なんて言いながら乗り込んだバスのあまりの豪華さに驚き騒ぎつつ、座席について2分ほど。
「イスファハーンは初めて?僕はイスファハーンに住んでてね、ホテルとか観光とかなら任せて」
隣に座る、見るからに紳士な男性がとっても丁寧に話かけて来てくれた。
それはそれは感じが良く、ぎこちない英語ながら優しさの滲み出る口調に、一点の曇りもない目、優しさの滲み出る目尻のシワ。話の流れで俺らがまだホテルをとってないとわかると早速友人達に電話電話電話。ものすごく一生懸命探してくれて、電話を代わってくれて2軒値交渉もさせてくれたんだけど、結局俺らの予算が低過ぎて折り合わず…
“Never mind. I can help you.”
ってずっと言ってくれる。こんな紳士な申し出にも、初めはちょっとだけ疑いと警戒心を持ってしまっていた旅人の性に情けなくなりつつ、だんだん泣けそうになってきた。
そうして宿は決まらないまま早朝4時、バスはバスターミナルへ。
「もうちょっと先で一緒に降りよう。大丈夫だから、ついて来て。」
彼の優しい言葉に導かれて、未知の場所で降りる。そこから、まだ陽の上がらない知らない町の川辺を歩いたり綺麗な橋を渡ったりすること10分ほど。なんと、彼の自宅に到着。
「ちょっと待っててね、車出すから一緒にホテル探そう」
まじですか…なんですかその優しさ…
どこまでも彼のご好意に甘える旅人は、導かれるまま車へ。そんな彼がホテルより先にまず連れて行ってくれたのは、シオセポールというすごく綺麗な橋。
僕らの不安や焦りをなだめるかのように、イスファハーンの街自体やこの橋の説明をしてくれた上、どう撮ったら綺麗に写るかなどなど、時間をかけて丁寧に教えてくれた。
そこからまた何軒かホテルを聞いて回ったけれどもやっぱり予算に合うところがなく、結局僕らの友人夫婦も滞在してる安宿まで行ってもらう事に。
「何かあったらこれ使って連絡してね。使い終わったら、この宿のマネージャーに渡しておいてくれれば大丈夫だから。」
と言って、自身のSIMカードを取り外して貸してくれる…どこまで優しいの…。その優しさに何も返せないまま、一旦は彼の、イランの懐の深さに甘えることにさせて頂きました。
そしてこの夜、また彼に会いたいがために借りたSIMカードで電話をするのでした。