『苦手な大都市だーどうしよー』
夜行列車で着いたはいいものの全くノープランなベオグラード。
ひとまず、ホステルまで歩く。
“ひとまず3日ぶりのシャワーを・・・”
しか考えられてなかったんだけど、シャワー待ちで宿にいた人と話してたら、
「ここ4ヶ月くらい、難民キャンプに届ける飯を作るボランティアをしてるよ」って。
難民?
難民がいるのこの街に?
そこでボランティアしてるの???
聞いてみると、アフガニスタンとパキスタンの難民たちはヨーロッパのシェンゲン圏内を目指す通称“バルカンルート”を通るんだけど、少し前にハンガリーがセルビアとの国境を強化(こんなニュースも)して以来、多くの難民たちがここベオグラードで停滞、それを支援するための団体がかなりあるんだって。
そのキャンプが今や17箇所もあるし、毎年冬になると厳しい寒さで死者も出る。
知らなかった。
「ボランティア、興味ある?」
『ある!やる!明日からやる!!』
ノープランだった俺らの、ベオグラードでやるべきことが決定。
今思うと、俺らが着いた日がたまたまエリックの休みでこうして会えてたからこうなったけど、この出会いがなかったら…(゚ω゚)
やっぱり旅には、見ようとしないと見えない流れがあるよね。
ベオグラード郊外にある小さな施設BELGRAID。
ここが参加したボランティアの拠点。
ただの施設というより、文化発信基地みたいな、ある種のカルチャーを発信してるシェルターみたいな雰囲気のここに、毎日30人くらい全世界からのボランティアが集まって、難民のために出来ることをやってる。
俺らが手伝ったのは、毎日難民キャンプに届ける昼飯の準備。
1つのキャンプに暮らす800人分の飯を3時間で作るために、朝8時半からおびただしい量の芋・キャベツ・カリフラワー・玉葱・人参・コリアンダー・ガーリックなどなどなどをひたすら切る切る切る。
献立、何かわかった??
仕事の休みを使ってとか、スカウトの夏季研修みたいのとか、俺らみたいな旅の途中に導かれたのとか、もちろんNGOに所属してる人とか、文字通り多種多様な人たちが毎日初対面の人がいる状況の中一緒に働くんだけど、みんなすごく協調性があって仕事の進みがスムーズ。
ここに導かれてる時点でみんな気も話も合うから、歌ったり踊ったり水かぶったり、on-offありながらすっごい楽しい、ピースフルな雰囲気のBELGRAID。ここ好き。
使ってる野菜・豆類・米・パンとかは、このNGOに寄付っていう形で集まってくる。他にもお茶とか麺とか調味料とか、そりゃあもう大量のストックが。
俺らが手伝った2日目には、スペインから冬用の服やら靴やらテントやら寝袋やらが、それはもう大量に届いてみんな大喜び。難民たちが無事に越冬するためには、とても大事なもの。けど、800人分って考えると。。。
“難民にご飯を手渡して話し掛ける”
なんだかんだ作ってみると、やっぱり食べてくれる人たちの顔を見に行きたい気持ちが強くなってきちゃうんだけど、事前のインプットやキャンプへの申請を経ないといけないから短期ボランティアにはなかなか訪れない機会。
まぁこれはさすがに無理あったよねって半ば諦めてたところに、「1人分だけ欠員出たし、あんたたち行きたがってるの知ってたから行かせてあげるよ」という有難いお話が。
ということで、俺だけキャンプへ行くことに。
想像をはるかに超える忙しさだったけど、手伝えてやっぱり嬉しかった。
けど、難民たちの顔を見ながら飯を渡してると、今の俺にはこれしか出来ないんだなっていう歯痒さの方が大きかったかな。
でも、みんなが意外と元気そうで安心(拍子抜け)したのも事実。彼らが毎日元気でいてくれることが一番。
あと驚いたのは、難民にご飯配るボランティアの手伝いをしてる難民もいたこと。
俺らと一緒に働いてる間、すごく楽しそうで、何回もHow’s goingとかwhat’s upとかニヤニヤしながら言ってくる。生きるのに欠かせないご飯を配るのもそうだけど、ただただ話したりすることもかなり大事なんだなぁと。
「日本ってヨーロッパ?」って聞いてきた、一緒に飯食った17歳のアフガンから来てる青年は、フランスを目指してるもののここで1年足踏み、国境越えを試みては戻されをもう5回やってるって。
「明日もバスケしようね!」って嬉しそうに言ってくれた15歳のパキから来てる青年も、もうここに半年以上いて、どこかに行ける保障もない。家族が家族がって言ってたけど、まだ彼の英語がままならなくて話を聞いてあげられなかった。
“Don’t be a first world problem, be the solution”
“第1世界(≒先進国)の難題ではなく、解決策に”
最初は、よくわかんないTシャツ作ってんな〜と思ってたけど、何日か噛みしめてたらだんだん意味がわかって来た気がする。
労働力が不足してる事業とか、少子化の国とか、多様性の欠けてるコミュニティとか、その課題の解決策に、彼らは成り得るよね。
そうしたら、きっと世界も良くなる。
今回の機会に恵まれて気付いたことは、世界のどこにいようと、難民支援はできるんだなっていうこと。
こわいのは、知らない事と目を背ける事。
2016年の日本の難民受け入れ者数がたった28人だったって、知ってた?(これ参照)
難民には教育が足りないって言うけど、機会に満ち満ちてる第1世界の側こそ難民のことを理解するための教育が足りてないんだと思うよ!
これを知れた俺は、今後の行動が変わる。
ということは、これを読んでくれてるみんなも・・・?
One Love!!!