オーストラリアの回転寿司屋の職場改善計画。

By yu

俺の働いている回転寿司屋さん
・料理が美味しくない。
・サービスが良くない。
・仕事がすべて雑。

(寿司ネタなど詳しくは前編をどうぞ)

日本食を提供している店としてこれじゃあダメだろうと、ワーホリワーカーの分際でなぜか責任を感じて動き出す。俺の脳みその中で考えてるだけじゃ何も変わらないし、何よりみんなのことをあんまり知らないので、みんなとの対話を試みてみる。

①韓国人ジン

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

オープンキッチンで寡黙に寿司を握り続ける職人肌(写真はイメージ)

彼は以前パースにある”酒”っていう日本人経営の居酒屋でヘッドシェフをやってて、日本食はだいたい作れるし、シャリ玉握るのむっちゃうまい。握る合間に、あのパンッって音が店に響く。シェフ経験はもう十分で、あとは自分の店を開くためのお金をひたすら貯めたいという彼。

働き方が日本人的だからか、俺と同じようなことを問題に思っているけど、正しいと思っていることがあってもオーナーたちには言わない。How could I do??が口癖。

でも、彼が思っていることをもっと主張してもらわないと、この場がレストランらしくなることはきっとない。だから、彼と仕事の仕方を話して、それを俺がマネージャーに掛け合う、を何回かやってちょっとずつだけど変化させてみてる。

韓国は今若者が多すぎて職に就くのが難しくて、頑張って永住権を取得したオーストラリアで家族を養う為の店を開く夢に向かってる彼の立場を悪くするわけにはいかないし。けど、できればもっとみんなともコミュニケーションして欲しい。

②マレーシア人ヘンリー

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

白飯にはマヨネーズとソース、毎朝遅刻の超怠惰な人物(写真はイメージ)

太っちょでめんどくさいことが大っ嫌いな彼は、基本的に英語が話せない(話しても極度に訛ってて聞き取れない)ので、会話すること自体がやや難しい。なんでここで働いてるのかとか、稼いだお金は何に使ってるのかとか聞いてみたものの的をえた会話ができない。週に一度はカジノに行く。彼女はいるらしい。

『食洗機にかける前に皿を軽く手洗いしてちょ』
『洗いあがった皿は軽く拭いてちょ』
『こっちが忙しかったら手伝ってちょ』

性格を理解しての会話が難しかったから、ひとまず仕事をあるべきようにやってくれるようにシンプルに伝え続けることにしてたんだけど、連日言ってたせいか、ある日、注意した途端にプンスカしながら走って帰っちゃった。

変にプライドがあって、基本的に自分のcomfortable zoneから出てこず、出る意義も感じてない。他のマレーシア人スタッフから聞いたけど、マレーシアの所得水準ではノーフューチャーだからこっちに来てるみたい。大変なんだろうけど、他のマレーシア人は真面目に働いてる。

③シンガポール人マネージャー

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

小柄でやや無表情で料理が苦手、14歳の娘がいるお母さん(写真はイメージ)

15年前に日本人がオープンさせた回転寿司屋を、4年前くらいに夫婦で引き継いだ。経緯は詳しくはわからないけど、ここが初の飲食業&初のマネージメント。なるほど、だから経験の長いジンといつも話が噛み合ってないのか。

怠惰な彼のこと、ウエイトレスのこと、寿司作りや店作りのこと、全体的にマネージメントというものがなってないんじゃないのか、日本人的にはこうあったら良いと思う、ということを素人ながら色々と喋ってみたんだけど、返答は全て彼女自身の意見。

『さっきから自分の意見しか言わないけど、人の話を聞く気があるの?』

ってつい言っちゃったんだけど、耳を真っ赤にして怒り半分、話を聞き始めてくれた。俺らはあなた方の思っていることをただ作業する駒ではないし、人を雇ってるということはそうゆうことで、その調和を取れるのはあなた方しかいないと伝えた。彼らは、マネージメントやレストランの事を、ただ知らないんだと思う。

そのことを、俺らが知っておくことも大事。

④台湾人リッチちゃん

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

天真爛漫、このレストランで唯一友達と呼べる存在(写真左側の彼女、彼らの犬の名前はコーイ)

競争とプレッシャーがきつい台湾から一息つきにオーストラリアに来て、将来に不安を覚えながらも一生懸命頑張る彼女。ちょっと天然で喋り出したら止まらない、きっと誰の周りにも一人はいるような素直な子。毎日彼女に中国語を少しずつ習ってる。

彼女もこのレストランにはあんまり良い思いがなくて、いつも香港人の彼氏に愚痴ってばかり。その辺の感覚が似てて、一緒に働きやすくしていこうと話を持ちかけようと思ったけど、彼女と彼の人生を考えると、今このレストランでこんなに苦労してる場合じゃなさそう。早く辞める決心がついて、二人の将来に向けて歩き出せることを願う。

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

喋ってみてわかったことは、俺も俺に固執し過ぎていたということ。

誰もが正しい部分と間違ってる部分があって、そこを会話していかないといけないんだけど、ここにはそれをするほどのモチベーションを生むものは今のところない。前のに書いたけど、良くも悪くもマネーツリーレストランだからね。

Diversityっていう言葉を盾にした主義や権利の主張し合いじゃなく、本当に理解し合う、その上でみんなが幸せな関係って難しいね。

オーストラリア ワーホリ 回転寿司 ローカル パース

dessert Sushi—!!ってKidsたちに人気のイチゴの巻き物砂糖添え。

けど、ここにおいてそれを認めた場合、ここで回ってるこうゆう寿司たちも、これはこれで寿司だ、っていう多様性を認めなきゃってことになるのか?

それはそれでなんか悔しい。

目の前のお客さんには、地道にちゃんと寿司握って日本的に対応してく。

頑張ってんなと思ったら、押しといてねϵ( ‘Θ’ )϶


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